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グイン・サーガが未完に

栗本薫が逝ってしまいました。5月26日だそうです。知りませんでした。これでギネスにも認定されている累計部数3,000万部以上、グインサーガの記録更新は止まります。個人的なことを言うと、第1巻から続刊を待ち続けて購入してきたのですが、仕事にかまけ40巻前でリアルタイムに追う事ができなくなりました。

いささか、ヒロイックファンタジーものから現実的な小説へ嗜好の変化によるものだったんだと今は負け惜しむのですが。それにしても「ぼくらの時代」から自分たちの世代の作家が登場したんだという思いは強かったのでした。豹頭の超戦士、その異形の素性はいかに。謎を抱えながらもルードの森から長大な物語は突然、雄叫びを放ち始まったのでした。

永い筋書きを引っ張って行くには、その物語の最初にとてつもない仕掛けを作らなくてはなりません。平井和正の幻魔大戦もそうでした。庵野宏明のエヴァンゲリオンもそうでした。グインも不可能と思える難関難敵を打ち破り、創刊から5巻までを疾走しその基盤を作り上げました。

確かに今読むと、若い筆致です。しかし、筆の滑りはダイナミックな躍動感に溢れているのです。計算されたものではないのに見事なバランスを魅せてくるのです。これは正しく時代のパワーを得て、登場すべくして出てきた作品だったのでしょう。市場に出る前のストックが早川書房に少しあるやも知れず、あと数巻は発表されるかも知れません。

さて、もし、この世界的なヒーローを書き続けてくれる作家が居るとすれば、それは一体誰なのでしょうか?栗本薫の意思を継ぐ者はー。

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